Sony WF-1000XM5を半年使った正直レビュー【音質・ANC・装着感の実態】

Sony WF-1000XM5を半年使い込んでわかった音質・ノイキャン・バッテリー・装着感の実態を忖度なしで報告。XM4からの乗り換え組にも参考になるリアルレビュー。

Sony WF-1000XM5は、完全ワイヤレスとしては現時点でほぼ最高到達点の製品だ。ただし、万人向けとは言い切れない。

半年使い続けた結論を最初に言う。「音質とANCだけを純粋に追うなら、今この価格帯に敵はほぼいない。ただし耳の形を選ぶし、ケースのデカさとバッテリー持ちには妥協が必要だ」。


XM4から乗り換えた経緯

XM4を約2年使っていた。不満はほぼなかった。ただ、昨年末にリモートワーク中心の働き方に完全移行して、1日8〜10時間イヤホンをつけっぱなしにする機会が増えた。そのタイミングで左耳の側圧がきつく感じ始め、「どうせなら」とXM5に乗り換えた。発売からは少し遅れて2024年の春に購入。以来ほぼ毎日使っている。

使用シーンは主に3つ。自宅での作業中(Zoomあり)、週3〜4回の電車通勤(片道40分)、週1〜2回のジム。この3シーンでの実態を正直に書く。


半年使ってわかった実態:良い点と悪い点

音質:XM4から明確に進化している

ドライバーがXM4の6mmから8.4mmに大型化され、新開発の「統合プロセッサーV2」が載った。この組み合わせが効いている。特に低音の解像度が上がった。XM4では「量感はあるが少しベタッとした低音」だったのが、XM5では輪郭がはっきりして音楽の骨格が見えやすい。

ジャズ(Bill Evans系)とポストロック(Sigur Rósあたり)を主に聴くが、どちらも空間の表現が自然になった。完全ワイヤレスで「空間」を語るのは少し前まで笑われたが、XM5は本当に立体感が出る。イコライザーのデフォルト(ソニー独自の「360 Reality Audio最適化」)は少し低音寄りなので、フラットに近い設定に変えて使っている。

悪い点:LDAC使用時はレイテンシが体感できるレベルで乗る。動画視聴では口の動きとズレるので、SBCかAACに切り替えている。

ANC(ノイズキャンセリング):電車では最強クラス、カフェでは過剰

電車内でのANCは本当に強い。走行音が「ゴー」という低域の塊ごと消える感覚で、音楽を無音に近い状態で楽しめる。Zoomでの通話相手から「どこにいるか全然わからなかった」と言われたことが何度かある。

ただ、カフェや自宅では「消しすぎる」と感じる場面もある。宅配便のチャイムが聞こえなかったり、自分の声が籠もって気になったりする。そういうときは外音取り込みモードを使うが、XM4と比べて外音の自然さは明確に上がっている。風切り音は依然残るが、人の声の再現は自然だ。

装着感:XM4より確実に改善、ただし耳を選ぶ

XM4と比べてハウジングが小型・軽量化された(片耳7.3g→5.9g)。長時間装着での疲労感は減った。俺の耳には付属のMサイズイヤーピースがフィットしたが、友人に試させたところ「どうしても安定しない」という人が2人いた。ソニー純正のフォームタイプイヤーピース(別売)に変えると改善するケースが多いので、フィット感に不満が出たら試してみる価値はある。

ジムでの使用は非推奨とは書かれていないが、汗には注意が必要だ(IP54防水)。実際に激しい有酸素後に使ったら1度左のイヤホンが曇ったが、故障はしていない。ただしスポーツメインなら素直にAirPods ProかJabra Elite Activeの方が合う。

バッテリー持ち:カタログ値は信じるな

ソニーの公称値は「ANCオン時8時間(ケース込み24時間)」。実態はANCオン・LDAC接続・音量60〜70%で6〜6.5時間といったところだ。電車通勤(往復80分)+昼休憩のBGM程度なら1日充電なしで問題なく使える。テレワークで長時間連続使用する場合はANCをオフにするか、昼休みに10分ケースに入れる運用を習慣化すると詰まらない。

ケースは前モデルより体積が小さくなったとはいえ、ポケットに入れると存在感がある。ズボンの前ポケットに入れて動くのは正直しんどい。


Bose QuietComfort Ultra Earbuds・Apple AirPods Pro(第2世代)との比較

競合として名前が挙がるのはこの2つだ。

Bose QC Ultra Earbudsと比べると、ANCの性能はほぼ同等。音のキャラクターが違って、Boseは「聴き疲れしない温かい音」、ソニーは「解像度が高くモニター寄りの音」。ジャズやボーカルものをゆったり聴くならBose、情報量を多く取りたい・イコライザーを自分で弄りたいならソニーが上。

**AirPods Pro(第2世代)**はApple端末との連携が圧倒的に強く、H2チップの適応型ANCは環境に合わせた自動調整の自然さでいえばXM5と互角以上。ただし音質の解像度と低音の量感はXM5が一枚上手だ。AndroidメインならAirPodsを選ぶ理由はほぼない。

XM5はマルチポイント接続(2台同時)に対応しており、PCとスマホを切り替えて使う在宅ワーカーには実用面で強い。これはAirPods(iPhone限定の最適化を除けば)との差別化ポイントになる。


結論:こういう人は買い、こういう人は見送り

買いなのはこういう人

  • Android端末メインで、ガチのANCを求めている
  • 音質と解像度にこだわりがあり、完全ワイヤレスの限界を試したい
  • リモートワーク中心で、1日4〜6時間のデスクワーク+通勤で使う
  • XM4を使っていてそろそろ替え時と感じている(体感差はちゃんとある)

見送っていい人はこういう人

  • iPhone一本でAppleエコシステムに完全に乗っている(AirPods Proで十分)
  • 耳の形が小さめ・狭い傾向があり、イヤホンのフィット感で苦労しがちな人(試着推奨)
  • ジム・ランニングがメインで、汗・激しい動きの中で使いたい
  • 予算を3万円以内に抑えたい(Anker Soundcore Liberty 4 NCあたりが現実的な代替になる)

半年使って手放す理由はまだない。次にこれを超えるものが出るとしたら、レイテンシが完全に解消されLDACで動画も違和感なく見られるようになったときだ。それまでXM5はメイン機として使い続ける。

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