MX Keys S を半年使って気づいたデメリット【正直レビュー】

MX Master 3Sユーザーがキーボードも揃えて半年。打鍵感・接続安定性・バッテリー持ちで正直に後悔ポイントを語る。買う前に読んでほしいリアルな話。

MX Keys S を半年使って気づいたデメリット【正直レビュー】

MX Keys Sは「悪くはない」が、MX Master 3Sとセットで揃えて後悔している部分が確実にある。

マウスの完成度が高すぎたせいで、キーボードへの期待値がそのまま移行してしまった。半年経ったいま、冷静に棚卸しする。


MX Master 3Sに惚れてキーボードも揃えた経緯

きっかけはデスク環境の統一感だった。2024年末にMX Master 3Sに乗り換えて、その完成度に素直に感動した。電磁スクロールの精度、手になじむグリップ、Logi Optionsの細かいカスタマイズ。あれだけの体験をされると「キーボードも同じブランドで揃えたい」という気持ちになるのは自然な流れだ。

当時使っていたのはHHKB Professional HYBRID Type-S。テレワーク中心になって以来3年使い続けていたが、マウスとの接続切り替えが地味に面倒で、Easy-Switchで統一できるなら乗り換える価値があると判断した。価格は実売で16,000円前後。決して安くはないが、MX Master 3Sに2万円出した後だったので財布のひもが緩んでいた。


実際に半年使ってわかったこと

良かった点:接続切り替えとLogi Optionsの連携

Easy-SwitchでMac・Windows・iPadを切り替えられるのは本当に便利だ。ボタン一発で0.5秒以内に切り替わる。MX Master 3Sと合わせて同じボタン番号で同期させておくと、マウスとキーボードを一緒に切り替えられる。この体験はストレスゼロで、ここだけで「買って正解だった」と思えた時期もあった。

バックライトは環境光に応じて自動調整される。夜の作業でも目が疲れにくく、この点は予想以上によくできている。

悪かった点①:打鍵感がフラット過ぎる

正直に言う。HHKBから乗り換えると、打鍵感の物足りなさは相当なものだ。

MX Keys Sはパンタグラフ構造で、キーストロークは約2mm。HHKBの静電容量無接点(4mmストローク)と比べると、指への跳ね返りが圧倒的に薄い。「スコスコ感」はあるし、タイプ音は静かだ。ただし「打った」という満足感が薄い。長文を1時間以上打ち続けると、指先が疲れる感覚がある。

メカニカルやHHKBのような「押し込んだ先にある底打ち感」を求める人には向かない。これは慣れでどうにかなるレベルではなかった。

悪かった点②:Bluetooth接続の微妙な不安定さ

半年使って3〜4回、接続が突然切れた。Macから離れて戻ってきたタイミングで、スリープ復帰後に認識されないことがあった。

USBレシーバー(Logi Bolt)を使えば安定するのはわかっている。ただし「Bluetoothで3台を切り替えられる」という売りの一面がここで崩れる。Logi Boltを常用するなら、その1台は切り替えから外れるからだ。複数デバイス間のシームレスな切り替えを期待して買ったのに、安定性のためにレシーバー固定にするというのは矛盾している。

頻度としては月に1回以下だが、Macで集中して作業している最中に起きると普通にイライラする。

悪かった点③:バッテリー持ちはカタログスペックより短い

Logicoolは「バックライトなしで最大10ヶ月」と謳っている。が、バックライトをオンにして使うと体感で2〜3ヶ月が現実的なラインだ。俺の場合、バックライト輝度を40%程度に設定して毎日8時間前後使い、4ヶ月で充電が必要になった。

USB-Cで充電できる点は評価する。ただし充電中は有線として使えないため、バッテリー切れのタイミングで作業が止まるリスクがある。充電しながら使えない仕様はこの価格帯では惜しい。

悪かった点④:テンキーレスモデルがない(2026年現在も)

これが地味に痛い。MX Keys Sはフルサイズのみのラインナップで、テンキーレスやコンパクト版は存在しない。デスクのスペースが限られている場合、マウスとの距離が自然と遠くなる。MX Master 3Sを右手で操作するとき、キーボードのせいで右腕の移動距離が増える。肩への負担がHHKBを使っていた頃より増えた気がしている。


HHKBおよびApple Magic Keyboardとの比較

vs HHKB Professional HYBRID Type-S(約35,000円)

打鍵感はHHKBの圧勝。価格差を考えても、タイピングそのものに喜びを感じたいなら今でもHHKBを選ぶ。MX Keys Sが勝るのは「Easy-SwitchによるLogicool製品との連携」と「バックライト」の2点のみだ。

vs Apple Magic Keyboard(Touch ID搭載・約15,000円)

Macオンリーなら正直Magic Keyboardで十分だと思い始めている。接続安定性はMagic Keyboardの方が上。打鍵感はどちらも似たり寄ったり。Windows・iPadも切り替えて使うならMX Keys Sに意味があるが、Mac専用ならApple純正の安定感には勝てない。


結論。こういう人は買い、こういう人は見送り

買っていい人

  • Mac・Windows・iPadを日常的に行き来している人。Easy-SwitchとLogicool製品との連携は本物の価値がある
  • 打鍵感にこだわりがなく、静音性を重視する人。オフィスや家族が近い環境での使用には向いている
  • すでにMX Master 3SをBluetooth運用している人。接続体験の一貫性は確かにある

見送るべき人

  • HHKBやメカニカルキーボードから乗り換えを検討している人。打鍵感の落差は想像以上に大きい
  • Macのみの環境でBluetoothの安定性を最優先にしたい人。Apple Magic Keyboardの方が安くて安定する
  • テンキーレスで省スペース運用したい人。MX Keys Sはフルサイズ一択なので選択肢がない
  • 充電を気にせず使いたい人。バックライトオンで使うとバッテリー管理が想定よりシビアになる

「Logicoolで揃えたい」という気持ちはわかる。だがキーボードとマウスを同一ブランドで揃えることに実用的な意味があるのは、複数デバイスの切り替えが本当に必要な場合だけだ。その条件を満たさないなら、16,000円という予算でもっと打鍵感の良い選択肢がある。

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