Soundcore Space One、1年毎日使って見えたコスパの限界
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Anker Soundcore Space Oneを1年間ほぼ毎日使い倒した正直レビュー。QC45より安く、XM5より軽い優等生の「ここが惜しい」を隠さず書く。
Soundcore Space Oneは「1万円台で買えるノイキャンヘッドホンの現時点での答え」だ。ただし、それはあくまで価格帯の話であって、無条件に誰にでも勧められる製品ではない。
買った経緯——XM5を手放してSpace Oneに降りた理由
もともとSony WH-1000XM5を使っていた。ノイキャン性能も音質も文句なかったが、重さ250gが在宅ワーク中の長時間装着でじわじわ首にきていた。4〜5時間連続でつけると、集中力より先に首が限界になる。
「どうせリモートワークのデスク用ならXM5ほどの性能はいらない」と割り切って、2024年春にSoundcore Space Oneを9,990円(当時のセール価格)で購入した。XM5の売却価格と合わせると実質ほぼゼロ円での乗り換えだったのも正直な動機のひとつだ。
それから約1年、平日はほぼ毎日6〜8時間、仕事中のBGMとZoomのお供として使い続けた。
1年使ってわかったこと——良い点と「ここは妥協した」点
よかった点
①重さ260gの軽さは本当に正義だった
XM5と比較して実測でほぼ同等の重さながら、イヤーカップの形状と重心バランスのおかげか、体感はかなり軽く感じる。5時間連続でつけても首への負担はXM5より明らかに少ない。在宅ワーカーにとって、これは音質の差を超えるメリットだった。
②ノイキャン性能は1万円台として「かなりやる」
ANCの効き具合はXM5やQC45(実売2万円前後)には届かないが、エアコンの風切り音・換気扇・キーボードの打鍵音はほぼ消える。在宅作業の用途であれば、これで十分だった。カフェでの使用でも、隣席の会話がうっすら聞こえる程度に抑えられる。「生活音を消す」という目的なら合格点を出せる。
③バッテリー持ちは公称50時間、実測では40〜42時間
ANCをオンにした状態での実測で40時間超は普通にすごい。充電頻度は週1回で足りる。USB-Cで充電できるのも地味にありがたい。
④マルチポイント接続が実用的な精度で動く
PC(Mac)とiPhoneの2台同時接続をほぼ毎日使っているが、切り替えのラグは1〜2秒程度。ZoomからiPhoneの着信に切り替わるときも大きなトラブルはなかった。ここはQC45の旧モデル(マルチポイント非対応)より明確に優れる点だ。
正直に書く「ここが限界だった」点
①音質は価格相応——低域が盛りすぎで音楽を選ぶ
音の味付けはドンシャリ寄り。ロックやEDMは気持ちよく鳴るが、アコースティック系やジャズを聞くと低音が前に出すぎて音場が潰れる感じがある。イコライザーでフラットに近づけると印象は改善するが、それでもXM5の解像感には及ばない。「音楽をちゃんと聴きたい」なら、もう少し予算を積むべきだ。
②ヒンジとプラスチックの質感は値段なり
折りたたみ時のヒンジの動きが少しゆるい。1年使っても壊れてはいないが、毎日バッグに放り込んでいると経年でガタが出てくる気はしている。本体の質感はマットな仕上げで見た目は悪くないが、手に持つとプラスチック感は隠せない。
③外音取り込みは「使えなくはないが雑」
外音取り込みをオンにすると、少しホワイトノイズが混じる。QC45の取り込み音質と比べると一段落ちる印象で、歩きながら会話に使うには違和感がある。据え置き用途なら気にならないが、外出先でも積極的に使いたい人には厳しいかもしれない。
④Soundcoreアプリは機能的だが動作が少し重い
イコライザー設定やANCのカスタマイズはアプリ経由で行う。機能自体は豊富だが、起動が遅く、たまに接続が切れてアプリが固まる。iOS 17環境で月に1〜2回は再起動が必要だった。ファームウェアアップデートで改善はされているが、まだソニーやBoseのアプリ完成度には及ばない。
QC45・XM5との正直な比較
| Space One | QC45 | XM5 | |
|---|---|---|---|
| 実売価格(2025年) | 約1万〜1.2万円 | 約2万〜2.5万円 | 約3.5万〜4万円 |
| ANC性能 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 音質 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| バッテリー | ★★★★★(50h) | ★★★★☆(24h) | ★★★★☆(30h) |
| 重さ | 260g | 238g | 250g |
| マルチポイント | ○ | △(旧モデルは×) | ○ |
| 質感 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
コスパで見るとSpace Oneは圧倒的だ。ただし、ANCと音質という「ヘッドホンの本質」2項目でQC45に差をつけられているのは事実で、「少し高くてもいいもの」と割り切るならQC45は今でも合理的な選択肢だと思っている。
結論——「こういう人は買い」「こういう人は見送り」
買いだと断言できる人
- 在宅ワークのデスク用途がメインで、生活音・エアコン音を消したい人
- バッテリー切れを極力避けたい出張族・長距離移動が多い人
- 予算1〜1.5万円でマルチポイント対応のノイキャンヘッドホンが欲しい人
- 「音楽専用」ではなく「仕事+BGMの兼用」として使いたい人
見送りを勧める人
- 音楽をちゃんと楽しみたい人。同じ予算ならイヤホンの方が音質面で満足度が高い
- 外出先での使用がメインで、外音取り込みをよく使う人
- ヘッドホンに質感・所有欲を求める人。2万円足してQC45を買う方が長期的に正解
- 騒がしいオフィスやカフェで完全に音を遮断したい人。そこはXM5の領域だ
1年使った結論を一言で言うなら、「1万円でこれが買えるのは本物のコスパだが、コスパの恩恵を最大に受けられる使い方を選ぶ必要がある」。用途を絞れば最高の相棒になる。
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