Kindle ScribeとreMarkable 2、正直どっちを買うべきか

電子ペーパーで手書きメモをしたい人が必ず迷うKindle ScribeとreMarkable 2。両方を実際に触った視点で、用途別に「どっちが正解か」を言い切る。

Kindle ScribeとreMarkable 2、用途が違う別の道具だ

この2台で迷っているなら、先に言う。「本をよく読む人」はKindle Scribe、「紙のノートを完全に電子化したい人」はreMarkable 2だ。どちらが「上位互換」かという話ではない。用途の重心が根本的に違う。両方を数ヶ月ずつ使った結果、この結論は揺るがない。


買った・使い始めた経緯

2023年末にKindle Scribeを購入し、約半年使ったのちにreMarkable 2を知人から2週間借りて比較した。きっかけは「会議メモをA4のルーズリーフに手書きしている習慣を、紙ゼロにしたい」という単純な動機だった。当時、手書き入力対応の電子ペーパーデバイスとしてこの2択が最有力候補で、スペック表だけでは判断がつかなかった。

Kindle Scribeのスペックは10.2インチ・300ppi・重さ433g・ストレージ16GB/32GB/64GB。reMarkable 2は10.3インチ・226ppi・重さ403g・ストレージ8GB(クラウド同期前提)。数字だけ見ると似ているが、実際に手を動かし始めると全く別物の感触がある。


実際に使ってわかったこと

Kindle Scribeで良かった点

Kindleライブラリとの統合は本物だ。 購入済みの数百冊が即座に使える状態で10.2インチに展開される体験は、これ以上のリーダーは要らないと感じるレベルだった。技術書やビジネス書を読みながら余白に書き込めるのは実用的で、読書と思考が1台で完結する。バックライトの均一性も高く、夜間の読書でも目が疲れにくかった。

メモ機能は「ノートブック」として独立しても使えるが、あくまでKindleの拡張として設計されている印象が強い。

Kindle Scribeで悪かった点

書き心地の遅延が地味に気になる。 ペン先の動きに対して0.1〜0.2秒程度のラグがあり、速記に慣れた人には引っかかりを感じる。また、PDFへの手書き注釈がPCのKindleアプリと完全同期できない問題は2024年時点でも解消されておらず、仕事用途で使おうとすると何度か壁にぶつかった。ノート機能のフォルダ管理UIも貧弱で、大量のメモを整理しようとするとストレスが溜まる。

重量433gは片手で長時間持つには重い。30分以上の読書は机に置くかスタンドが必要になる。

reMarkable 2で良かった点

ペンの書き味は本物の紙に限りなく近い。 226ppiとKindle Scribeより解像度で劣るにもかかわらず、書いていて気持ちいいのはreMarkable 2だった。「CANVAS」と呼ばれる画面表面の摩擦感が絶妙で、万年筆で書く感覚に近い。遅延はほぼゼロに感じる。ノートの構造も直感的で、テンプレート(方眼、横罫、TODOリスト等)が豊富。

PC・Macアプリとの同期精度も高く、「書いたものをそのままデジタルで管理する」ことへの一貫性が徹底されている。

reMarkable 2で悪かった点

電子書籍リーダーとしては二流だ。 Kindleの本は読めない。PDFとEPUBを自前で転送する必要があり、Kindle本のような快適なエコシステムは存在しない。バックライトも非搭載(2024年現在もなし)なので暗い環境での使用は不可。

そして価格が高い。本体だけで6万円前後、専用のMarkerペンが別売りで3,000〜11,000円というランニングコストも考慮が必要だ。サブスクリプション(Connect)を契約しないとクラウド同期やモバイルアプリが制限される点も見逃しがちな落とし穴だ。


競合・代替品との比較

2026年現在、この2台以外に実用的な選択肢としてBOOX Note Air3 C(カラー電子ペーパー)とSupernote A5 Xが挙がることがある。

BOOX Note Air3 CはAndroidベースでKindleアプリも動くため「いいとこ取り」に見えるが、電子ペーパーの上でAndroidを動かすという構造的な非効率感が拭えない。動作がもたつく場面があり、「電子ペーパーならではのシンプルさ」を求めるなら逆効果になることもある。

Supernote A5 Xは書き心地とノート管理の完成度が高く、reMarkable 2のライバルとして本気で検討に値する。ただし日本での知名度と情報量の少なさ、サポート体制の不透明さが引っかかる。

結論として、「本を読む×手書きメモ」の2軸で使いたいならKindle ScribeとreMarkable 2の2択は今も正しい。


結論。こういう人は買い、こういう人は見送り

Kindle Scribeを買うべき人

  • Kindleで月に5冊以上読んでいて、余白書き込みや読書メモを自然にやりたい人
  • 電子ペーパーデバイスが初めてで、リスクを抑えながら手書き機能を試したい人
  • 読書6割・メモ4割のバランスで使いたい人
  • 予算4〜5万円以内に収めたい人

Kindle Scribeを見送るべき人

  • 会議メモや日常のタスク管理など「書くことが主目的」の人。このユースケースでは機能が物足りない
  • PDFの手書き注釈をPCと完璧に同期させたい人。現時点での完成度では業務には耐えられない

reMarkable 2を買うべき人

  • 紙のノートをリプレイスしたい、それだけのために6万円出せる人
  • 書き味のリアルさを最優先にしている人
  • ノートの整理・検索・PC同期をシームレスにしたい人
  • Kindleは別のデバイスで読むので、電子ペーパーは「書く専用機」と割り切れる人

reMarkable 2を見送るべき人

  • Kindleの蔵書をそのまま大画面で読みたい人。それはできない
  • バックライトがないと使えない環境(出張先のホテル夜間作業など)が多い人
  • サブスク費用込みのランニングコストを考えると割高に感じる人

どちらも「書く専用機」として過信しないことが重要だ。 万能を求めると両方に失望する。用途の重心を先に決めてから買え。それだけで後悔率は劇的に下がる。

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